Q: Passionは一言で言うとどんな映画ですか?
Mel: このバージョンはもっとも可能な限り僕の考えてる真実に近いものになるだろう。アイデア自体は10年前にひらめいてベンジャミン・フィッツジェラルド(註:今のところどんな人か不明)と一緒にスクリプトを書いた。
Q: なぜ最後の12時間だけを?
M:
その生涯でもっとも描くのが難しく、だが最も重要なところだ。今まで多くのイエスの話を描いた映画を見たがどれ一つ、その場面に関して満足したものはなかった。僕にとってはそれらは望遠鏡の向こう側から覗いてるようなものだった。いくつかはイエスの外見の表現そのものに不満だったし、幾つかは結果に納得できなかった。それらを解消するために挑戦してみようと.....きっと傲慢だと言うだろうね。そう僕は傲慢なんだ、実は!(一同笑)
Q: パゾリーニの「奇跡の丘」(原題「マタイによる福音書」)は知ってますね?
M: ああもちろん。かなり好きな映画だ。荒削りだと感じたがマタイが書いたイエスの全生涯をうまく表している。僕の場合はルカ、ヨハネ、マルコ、マタイの全部の福音書が伝えたのを元にして最後の12時間だけを作る。
Q:「最後の誘惑」は?
M: 実はマ-ティン(スコセッシ監督)は僕に主演を依頼してきたんだが断った.....今言えるのは.....音楽が抜群にすばらしかった。
Q: オーケイ。あなたの作品に戻りましょう。どんな映画になるんですか?
M: 見て非常に分りやすい視覚的な...つまりこうなんだ。言葉は今は使われてないものを使用する。ラテン語とアラム語。このアイデアが映像といっしょなら知覚できる事を願ってるんだ。また役者にとってはかつてないユニークな体験になるだろう。とても個人的な、さらにイエスに近づくための今まで欠けていた部分を得られる。
フラッシュバックを使ってイエスの両面、神性と人間性を表すんだが比重はほとんど人間性を描く事にかける。
Q: 神を信じますか?
M: 何か大きな人智を超えた至高の存在を強く信じている。
Q: 撮影地にイタリアを選んだ理由は?
M: ここには優秀な才能や材料がいっぱいあるからね(笑)それに何と言ってもここはすばらしい....一緒にいられるように家族の半分をこっちに移したんだ。すでにこどものためにローマの学校の入学手続きをすませた.....イタリア語を覚えてくれないかと願ってる。
Q: モニカ・ベルッチやセルジオ・ルビーニといったイタリア人俳優に接触したと聞きましたが?
M: うん、二人と話はした。まだ確認は取れてない....できたら....モニカはマグダラのマリアがやれると思ってる。ルビーニにはあの泥棒の役をやってもらえたらと.....ロザリンダ・チェレンターノ(上の写真)は確実に出演が決まった...とても美人で、彼女はね、驚くなかれサタンを演じるんだ。
Q: なんと...野心的で途方もない企画だ......
M: でもほんとのことだ....誇大妄想狂のたわごとに聞こえるかも知れないけどね.....完全に僕の製作会社の資本でやる。馴染みのない言葉を使い、字幕なし。アメリカで配給会社を見つけるのは簡単じゃない事は承知だ....僕の頭が狂ったと思うだろうな...たぶんそうなんだろう(笑)
Q: 観客は難しいことばにも関わらずこの映画は理解できると?
M: うん理解するはずだ....もしそうならそれだけで僕の仕事は成功した事になる...だめなら妥協して字幕は入れるかも...(笑)■
以下9/20日時点で発表されたクレジット:
タイトル:The Passion
監督:メル・ギブソン
脚本:ベンジャミン・フィッツジェラルド、メル・ギブソン
主題: "The Dolorous Passion of our Lord Jesus Christ" by Anne Catherine Emmerich; "The City of God" by Mary of Agreda; 及びルカ、マタイ、マルコ、ヨハネの各福音書からひらめきを得て。
美術:フランチェスコ・フリジェリ
衣装:マウリツィオ・ミレノッティ
プロデュース:メル・ギブソン、ブルース・デイヴィ、スティーヴン・マクエヴィーティ、マ-キス・フィルム(ロンドン)
出演:ジェイムズ・カヴィーゼル、ロザリンダ・チェレンターノ
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