Passion News Archives #5 (2003 年1月~3月)

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3/4  2003
マテ-ラと違いローマでの撮影は厳重な警備付きスタジオ内なので当然立ち入り禁止。だからマテーラのように細かいレポートは入って来ないがここに来ていろんなメディアにメルのコメントを含んだ撮影の様子がとりあげられている。その一つ先日予告したNew York Daily Newsに載ったのをやっと訳した。なかなか読み応えあるレポートだと思う。

 

セットルポルタージュ記事訳 : Very Violent "Passion"

 

またいろんなメディアに載り始めたマテーラやローマでのセットの写真も入って来てギャラリーとしてまとめたのでごらんあれ。小さな写真からでも2000年前の風景や室内がリアルに再現されてる様子がわかるだろう。



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さて撮影の方は無事2月の終わり頃終了したようだ。まだ正式な記者会見のニュースは入って来ない。
メルたちは、秋に天候のせいで撮れなかった十字架刑のシーンのいくつかを撮るために、4月頃再びマテ-ラに戻ると言う。それを知ったマテ-ラの人々は再会を喜んでいる。またあの「イエス様」に会えるとはうれしい!という人もいた。信じるか信じないかは別として、こんなエピソードを聞いた。マテ-ラでイエスの扮装をしたジム・カヴィーゼルに触れたエキストラの一人が撮影に入ってから寒さのために悪化していた腰痛がぴたーっと治ったと言う。今度いったらジムはさぞやもみくちゃになるだろう。

1/29 2003 
今年になってジムだけでなくメル自身のコメントもオンラインに載り始めている。ようやくだんまり作戦を解除したようだ。
その背景にはカトリック教徒の彼が作るキリストの映画、つまりハリウッドにとっては問題作となるだろうこの作品に対して早くも大手メデイアがメルや家族にいやがらせをかけて来たとことへの抗議も含まれる。
詳しいことはこちらの「メルに愛と励ましのメッセージを送ろう」を。

大手じゃないNew York Daily Newsがローマに移ってからのメルとセットの様子をとても好意的にルポした記事を入手。もちろん訳してできるだけ早くアップの予定。
一つだけ先に;なんでもメルは彼お気に入りのイタリアバロックの異端的革命的画家 Caravaggio(カラヴァッジオ、1573-1610)の絵から屋内での撮影のイメージコンセプトを膨らませたと言っている。撮影監督のカレブ・デシャネルはメルの要求にみごと応えて監督をいたく感動させたらしい。スリリングな楽しみがまた増えた! 
なお映画にも有名なデレク・ジャ-マン作品「カラヴァッジオ」(1986)があるのでひまな時にでもごらんあれ。

 

参考リンク: Caravaggioの絵画紹介  とても詳しい解説付き

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オハイオ州クリ-ブランドの新聞(1/3付)に当地出身で俳優コーディナーターとしてカヴィ-ゼルはじめ多くの俳優の衣装、メーク、ヘアの調整に全責任を持つロバート・コーナのコメントが載った;
「あらゆる意味で The Passion は特別な映画だと思う。まず俳優たちはラテン語やアラム語の台詞を音声学的に発音から覚えなくてはならない。それからだ、感情移入は。こんな大変なことってそうそうないと思うよ!俳優としてはもっとも大きなチャレンジの一つになるだろうね。
尋常じゃないのはそれだけじゃない。一日のスタートはラテン語のミサで始まるんだ!」

Mel Gibson in the set of the palace
王宮のセットでのメル


1/14 2003
1/6から全員がまたローマに戻り撮影再開。現在はローマのチネチッタ撮影所でヘロデ王の宮殿のシーンやポンテオ・ピラトの館のシーン及びユダヤ祭司の館のシ-ンなどが撮られていると言う噂。メルは1/12にアメリカで行なわれたPeople's Choice Awardsの受賞スピーチのためのビデオ撮影をこのヘロデ王の宮殿のセットで忙しい中行なったようだ。
昨年暮れにようやく帰国まぎわのジム・カヴィーゼルをつかまえて、カナダの新聞が取材したコメントが手に入った。映画の事、メルのこと等とても興味深い話がきける。主演俳優のコメントはこれが初めてだろう。

 

Jim Caviesel Interview

 

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Mel on the COVER

BRAVEHEART

Happy 15th Anniversary

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Variety, USA 1995
Variety, USA 1995

新しい年を迎えた。2010年。皆様におかれてもさらに良き年になりますよう。

日付けは1月2日になってるが、もう3日。1月3日と言えばメル・ギブソンの誕生日。「おめでとう、メル!」のついでに毎年この日に新年のご挨拶をしてる(^^)。

 

メル・ギブソンのファンサイトを運営する私にとっては、今年は楽しみが多い。公開を控えた2本の主演映画、監督するのが決まってるもの1本、春頃開始の主演作1本と久方ぶりに映画人メルがおおいに動く。できるだけ追っていきたいと思うが、また今年はたった4ページから初めた本サイトの10周年、さらにWhat Women Want 「ハート・オブ・ウーマン」のロスアンジェルスプレミアに幸運にも参加でき、幸運にも生身のメルギブソンに会えた記念すべき出来事の10周年も迎える。

10周年?! なんてこと、紀行文はそのうち書きます...などと言いつつ忙しさにかまけ、さぼってたら10年! 最近ひとしお思う。地球の自転が実は密かに速くなってるんじゃないかと....大昔古代マヤ人が予言してたのはこの事じゃないかと。しかし嘆いても仕方ない。自転は停まってくれないだろうし、やることはいっぱい。せめて10周年記念として上記プレミア紀行文でもアップしよう。

 

さて去年の暮れ続けてジャンルは同じ恋愛ドラマになるだろうが、全く毛色の違う2本を観た。ひとつは鑑賞券を得て久しぶりの劇場でロードショウとして、サンドラ・ブロック主演The Proposal「あなたは私の婿になる」を楽しんだ。

S・ブロックは好きな女優の一人だ。いったい美人なのかセクシーなのかよくわからない雰囲気が気に入ってる。コメディでは笑わせてくれるし、筋肉質に近い体つきに見えるがグラマラスなのもいい。

やり手のカナダ人キャリアウーマンがヴィザの更新ができないため、とっさに部下の若い男との偽装結婚を思いつき、彼の実家に行くはめになりドタバタが始まる。大都会シカゴからおおらかなアラスカに行くくだりは傑作。そこに行って部下の実家が土地の素封家でお屋敷のような家を見て驚くブロックの演技も最高。

しばらく見ればもう結末は推して知るべし。アメリカのロマンチック・コメディなら複雑な筋立てなし、不幸な結末なし、スピーディな演技とファニーな台詞、一人か二人の意地悪な妨害役...と約束通りの展開で、それでもブロックのうまいコメディエンヌぶりがおおいに笑いを誘い、ハンサムな相方、ライアン・レイノルズがちょっとすっとぼけた人のいい役回りで、あれよあれよと言う間に二人は本物の恋に陥る。ところでこのレイノルズ、確かにいわゆるイケメンで日本の女の子好みのように感じられたが、残念、私の好みじゃない。40歳くらいになったらどうかな。

安心して座席に身を預けられる映画の典型だ。問題提起や意識を刺激される事もあまりない。単純に楽しむ映画。この手の映画はアメリカならではだろう。アメリカの観客のためのアメリカ的ロマンスもの。以下に書くフランスの恋愛映画なんてきっとアメリカじゃはやらないだろう。

 

1962年フランス/イタリア合作 Le Repos Du Gerriere 「戦士の休息」。すでに別れてはいたが、妻だったブリジット・バルドーを主演に迎えたロジェ・バディム監督作品。同じ恋に陥っていく男女を描いてもこうも違うのかとあらためてフランス映画の妙を見せつけられた思い。この映画は昔一度劇場で見て、BB(ベベ)のふくれっ面の愛らしさにうっとりし、音楽の美しさに魅了されたのを覚えてて、今回ふと思い出しレンタルしたのだが、当時「戦士の休息」(原題通りの訳)と言うタイトルの意味するところが当時よくわからなかった。

偶然に出会った男に惹かれ一緒に暮らし始めるが、この男が何か病理的な暗さを持ち、不実なのだ。フランス映画、特に恋愛ものはアメリカの言ってみればわかりやすく結末まで読めてしまうようなプロットの作りよりも、なぜだかわざわざこちらをイライラさせるような演出や脚本になってる事が多い。実はそういうところも含めてフランス映画が好きなのだが、アメリカ的ストーリー展開に慣れてしまうと、とても不自然に感じられるかもしれない。

しかし実際の男女の心の機微とは単純なものではないし、はたからみれば不自然な行動や言動がつきものだ。この映画もそういう意味では単純でなく自然でない。つまり二人は知ってか知らずか心理的駆け引きをしてるのだ。駆け引きというより戦い。男が勝ってるように見えてその実、最後に笑うのは女。イタリアの廃墟の中で最後にBBにすがりついて愛を乞う男に対し、長い金髪を風になびかせ泰然と微笑むあのラストシーンがまさに戦い終えた戦士の休息なんだろう。つまり休息であってまだ戦いは続く...と匂わせる。男女の心の機微は尽きない。

2つの全く毛色の違う恋愛映画を見終わって、2つともそれなりに楽しめるが、私にとって心に残り、刺激を受け、女主人公になった妄想を楽しめるのは古くても不自然でも「戦士の休息」のようなフランス映画だなとあらためて認識した次第。

 


 

Last updated 10/23,2015

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