Mel plays Romeo
Mel plays Romeo

ロンドンにある厳格なことで有名な俳優養成所、王立アカデミー(RADA)の伝統を踏まえたNIDAは、メルに舞台上で考えうる事実上あらゆる役を当ててその技量を試した。その中にはほんの小さな端役から、シェークスピアの「夏の世の夢」におけるタイタ-ニアのような本来女性が演じる主役まで含まれていた。ロミオ役もこのようにして与えられ演じている。その相手役は同級生で、後にオーストラリア映画界のスターになるジュディ・デイビスだった。彼のロミオは後年別のシェークスピア古典劇の映画版で彼が見せたイメージに繋がるにふさわしいものだった。

 

NIDAに在学中、メルは初めての映画出演を果たす。低予算の「サ-ファ-小僧もの」Summer City「メル・ギブソンの青春グラフィティ」だ;親友で当時のル-ムメイトでもあり、この映画の主役を演じたスティ-ヴ・ビズレーを含むキャストのほとんどがNIDAの学生だった。メルはこのデビュー作では助演の一人にすぎなかったが次作Mad Maxではその役目がビズレーとひっくり返ることになる。

 

初めてのスクリーンでの演技についてメルは語る:「僕が演じたのは19歳のサーファーでただ波乗りをし、とろそうに黙ってただけさ。当時それが僕に出来た精一杯の事だった。一般公開されたけど幸いなことにオーストラリア国内だけで外には出なかった...」彼はこの仕事で400ドルをもらった。

おそらくこの運の悪い出だしのせいでメルは、映画の仕事は自分に向いてないと決めてかかったのだろう。1977年にNIDAを卒業すると積極的に舞台とテレビの方に目を向け専念することにした。

 

同年彼は南オーストラリア州立劇団に参加して「オイディプス王」と「ヘンリ-6世」の主役をこなす。この劇団を出た後も数々の舞台で活躍する。その中には「ゴドーを待ちながら」「ロミオとジュリエット」(再び)、ロングランとなった"No Names No Pack Drill"(彼はアメリカ人を演じた)、その後に続く映画出演のちょっとした合間にはア-サ-・ミラーの「セールスマンの死」の舞台にも立つ。主人公のセールスマンの息子、迷いから覚めたビフを演じて好評だった。

さらに"Sullivans"というソープオペラを含むいろいろなタイプのテレビ番組にも出る。彼言うところの「ソ-プス」に出演したことは今のところ最も不本意な経験だったようだ - 最低どころかあのSummer Cityを作ったことよりずっと嫌悪感を催した。

彼はここで考え直す;もしかしたら映画の仕事はそれほど悪いものじゃない....結局は。皮肉にも、そして大いなる幸運のなせる技か、彼がこの考えに至った時がまさにずっと未熟だったオーストラリア映画界がついに独自の道を歩み、重要な映画を生み出す勢力として世界に羽ばたこうとしている時期と重なったのである。

 

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Happy 15th Anniversary

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Variety, USA 1995
Variety, USA 1995

新しい年を迎えた。2010年。皆様におかれてもさらに良き年になりますよう。

日付けは1月2日になってるが、もう3日。1月3日と言えばメル・ギブソンの誕生日。「おめでとう、メル!」のついでに毎年この日に新年のご挨拶をしてる(^^)。

 

メル・ギブソンのファンサイトを運営する私にとっては、今年は楽しみが多い。公開を控えた2本の主演映画、監督するのが決まってるもの1本、春頃開始の主演作1本と久方ぶりに映画人メルがおおいに動く。できるだけ追っていきたいと思うが、また今年はたった4ページから初めた本サイトの10周年、さらにWhat Women Want 「ハート・オブ・ウーマン」のロスアンジェルスプレミアに幸運にも参加でき、幸運にも生身のメルギブソンに会えた記念すべき出来事の10周年も迎える。

10周年?! なんてこと、紀行文はそのうち書きます...などと言いつつ忙しさにかまけ、さぼってたら10年! 最近ひとしお思う。地球の自転が実は密かに速くなってるんじゃないかと....大昔古代マヤ人が予言してたのはこの事じゃないかと。しかし嘆いても仕方ない。自転は停まってくれないだろうし、やることはいっぱい。せめて10周年記念として上記プレミア紀行文でもアップしよう。

 

さて去年の暮れ続けてジャンルは同じ恋愛ドラマになるだろうが、全く毛色の違う2本を観た。ひとつは鑑賞券を得て久しぶりの劇場でロードショウとして、サンドラ・ブロック主演The Proposal「あなたは私の婿になる」を楽しんだ。

S・ブロックは好きな女優の一人だ。いったい美人なのかセクシーなのかよくわからない雰囲気が気に入ってる。コメディでは笑わせてくれるし、筋肉質に近い体つきに見えるがグラマラスなのもいい。

やり手のカナダ人キャリアウーマンがヴィザの更新ができないため、とっさに部下の若い男との偽装結婚を思いつき、彼の実家に行くはめになりドタバタが始まる。大都会シカゴからおおらかなアラスカに行くくだりは傑作。そこに行って部下の実家が土地の素封家でお屋敷のような家を見て驚くブロックの演技も最高。

しばらく見ればもう結末は推して知るべし。アメリカのロマンチック・コメディなら複雑な筋立てなし、不幸な結末なし、スピーディな演技とファニーな台詞、一人か二人の意地悪な妨害役...と約束通りの展開で、それでもブロックのうまいコメディエンヌぶりがおおいに笑いを誘い、ハンサムな相方、ライアン・レイノルズがちょっとすっとぼけた人のいい役回りで、あれよあれよと言う間に二人は本物の恋に陥る。ところでこのレイノルズ、確かにいわゆるイケメンで日本の女の子好みのように感じられたが、残念、私の好みじゃない。40歳くらいになったらどうかな。

安心して座席に身を預けられる映画の典型だ。問題提起や意識を刺激される事もあまりない。単純に楽しむ映画。この手の映画はアメリカならではだろう。アメリカの観客のためのアメリカ的ロマンスもの。以下に書くフランスの恋愛映画なんてきっとアメリカじゃはやらないだろう。

 

1962年フランス/イタリア合作 Le Repos Du Gerriere 「戦士の休息」。すでに別れてはいたが、妻だったブリジット・バルドーを主演に迎えたロジェ・バディム監督作品。同じ恋に陥っていく男女を描いてもこうも違うのかとあらためてフランス映画の妙を見せつけられた思い。この映画は昔一度劇場で見て、BB(ベベ)のふくれっ面の愛らしさにうっとりし、音楽の美しさに魅了されたのを覚えてて、今回ふと思い出しレンタルしたのだが、当時「戦士の休息」(原題通りの訳)と言うタイトルの意味するところが当時よくわからなかった。

偶然に出会った男に惹かれ一緒に暮らし始めるが、この男が何か病理的な暗さを持ち、不実なのだ。フランス映画、特に恋愛ものはアメリカの言ってみればわかりやすく結末まで読めてしまうようなプロットの作りよりも、なぜだかわざわざこちらをイライラさせるような演出や脚本になってる事が多い。実はそういうところも含めてフランス映画が好きなのだが、アメリカ的ストーリー展開に慣れてしまうと、とても不自然に感じられるかもしれない。

しかし実際の男女の心の機微とは単純なものではないし、はたからみれば不自然な行動や言動がつきものだ。この映画もそういう意味では単純でなく自然でない。つまり二人は知ってか知らずか心理的駆け引きをしてるのだ。駆け引きというより戦い。男が勝ってるように見えてその実、最後に笑うのは女。イタリアの廃墟の中で最後にBBにすがりついて愛を乞う男に対し、長い金髪を風になびかせ泰然と微笑むあのラストシーンがまさに戦い終えた戦士の休息なんだろう。つまり休息であってまだ戦いは続く...と匂わせる。男女の心の機微は尽きない。

2つの全く毛色の違う恋愛映画を見終わって、2つともそれなりに楽しめるが、私にとって心に残り、刺激を受け、女主人公になった妄想を楽しめるのは古くても不自然でも「戦士の休息」のようなフランス映画だなとあらためて認識した次第。

 


 

Last updated 10/23,2015

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