The Chain Reaction チェーンリアクション(1979)

オーストラリア/アメリカ未公開/日本公開1980年10月/98分

CREDITS
監督・脚本.........イアン・バリー
製作...................デヴィッド・エルフィック
共同製作............ジョージ・ミラー、ロス・マシューズ
撮影...................ラッセル・ボイド
音楽...................アンドルー・トマス・ウィルソン

 

CAST
Steve Bisley....................ラリー
Hugh Keays-Byrne...........イーグル
Arna-Maria Winchster....カーメル
Ross Thompson.................ハインリッヒ
Ralph Cotterill..................グレイ
Lorna Lesley.....................グロリア
Mel Gibson.......................メカニック(クレジットなし)

 

Mel as a non-credited mechanic
Mel as a non-credited mechanic

MINI STORY
地震のために核廃棄物処理工場のパイプから放射能を帯びた排水がもれた。だが公団は事故をひた隠そうとしたため、ある科学者が自身も放射能を浴びて助からないのにもめげず、世間に知らせようと厳しい公団の監視を逃れ友人に連絡して力つきた。折しも山小屋ヘ来てたレーサーのラリーが彼を見つけ収容して町へ降りたところ、逮捕されてしまう。山小屋へ連行される途中車を奪い科学者をのせ、追手を振り切りながらの決死の山下りが始まった........

 

NOTES
メルの古くからの仲間スティーヴ・ビズリー主演でMad Maxのミラー監督も製作に参加してるという事でメルが友情出演したらしい。オーストラリアではメルの名は既に先の2本で有名になっていたので宣伝にはこう書かれて売り出された;「あのMad Maxのメル・ギブソンが特別出演!!」

だが映画史家のロブ・エデルマンによると「メルの出演は"特別"というほどの物ではない。車の修理工場のシーンがあって車の下からメカニックが顔を出す。ワンショット分、顔のクローズアップがほんの数秒。それがメルなんだ。彼が出るのはここだけだ」(彼の出てるものならたとえ1秒でも全て見るという完全主義ファンなら、だがこれで十分というわけでずっとビデオを探してるんだが、今だお目にかからない...)
作品はある批評家に言わせるとかの有名なThe China Syndromeのほとんどパクリと言っていいらしいが一般の反響は悪くなく、テクニカルな面が特に評価され、サミー賞の撮影、衣装、編集、美術、助演女優賞にノミネートされた。

 

NOTES 追記

幸運にもようやくこの映画を見ることができたので、感想を書いておこう。(Special Thanks to you, AYA!)
まずメルの出番。思ったより長く写ってて一言だが台詞もある。全般的にMad Maxのあの色調、ムードと共通するものがあって、これはオーストラリア映画独特のものだろう。何がこうも違うのか.....風土?言葉?もしオーストラリア映画と知らないで見ても、どこかアメリカ映画とは違うと気づくだろう。私自身はこのちょっと前のイギリス映画にも似たなんとも言えない、あえていえば「ダサさ」とでもいうのか(^^)、感じは凄く気に入ってる。
製作にジョージ・ミラーの名があるのは偶然ではないだろう。「チャイナ・シンドローム」の殆どパクりとあるが、テーマは確かに同じだがカメラやスタイルは全然似てない。むしろマッドマックスの流れを組んでいると強く感じた。主演のビズリーがSummer Cityの時と同じようなちょっと軽薄なレーシングドライバーに扮してるのがぴったりだ。だからカーチェイスのシーンはかなり迫真だが、一番印象的なのがカメラだ。ラッセル・ボイドの風景の撮り方はさすがと思わせるものがある。

 

日本で公開されたとあるが残念ながら記憶にない。たぶん見た人も少ないんじゃないかと思う。でもマッドマックスでも描かれた車や機械といったものに取り付かれているオーストラリア人好みの作品らしく、本国ではヒットしたという。アメリカで未公開なのはさもありなんと思う。いかにものんびりしてて地味だからアメリカじゃ当たらないだろう。ラッセル・ボイドの撮影というだけでも持ってる価値はあると私は薦めたい。

 

 

Mel on the COVER

BRAVEHEART

Happy 15th Anniversary

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Variety, USA 1995
Variety, USA 1995

新しい年を迎えた。2010年。皆様におかれてもさらに良き年になりますよう。

日付けは1月2日になってるが、もう3日。1月3日と言えばメル・ギブソンの誕生日。「おめでとう、メル!」のついでに毎年この日に新年のご挨拶をしてる(^^)。

 

メル・ギブソンのファンサイトを運営する私にとっては、今年は楽しみが多い。公開を控えた2本の主演映画、監督するのが決まってるもの1本、春頃開始の主演作1本と久方ぶりに映画人メルがおおいに動く。できるだけ追っていきたいと思うが、また今年はたった4ページから初めた本サイトの10周年、さらにWhat Women Want 「ハート・オブ・ウーマン」のロスアンジェルスプレミアに幸運にも参加でき、幸運にも生身のメルギブソンに会えた記念すべき出来事の10周年も迎える。

10周年?! なんてこと、紀行文はそのうち書きます...などと言いつつ忙しさにかまけ、さぼってたら10年! 最近ひとしお思う。地球の自転が実は密かに速くなってるんじゃないかと....大昔古代マヤ人が予言してたのはこの事じゃないかと。しかし嘆いても仕方ない。自転は停まってくれないだろうし、やることはいっぱい。せめて10周年記念として上記プレミア紀行文でもアップしよう。

 

さて去年の暮れ続けてジャンルは同じ恋愛ドラマになるだろうが、全く毛色の違う2本を観た。ひとつは鑑賞券を得て久しぶりの劇場でロードショウとして、サンドラ・ブロック主演The Proposal「あなたは私の婿になる」を楽しんだ。

S・ブロックは好きな女優の一人だ。いったい美人なのかセクシーなのかよくわからない雰囲気が気に入ってる。コメディでは笑わせてくれるし、筋肉質に近い体つきに見えるがグラマラスなのもいい。

やり手のカナダ人キャリアウーマンがヴィザの更新ができないため、とっさに部下の若い男との偽装結婚を思いつき、彼の実家に行くはめになりドタバタが始まる。大都会シカゴからおおらかなアラスカに行くくだりは傑作。そこに行って部下の実家が土地の素封家でお屋敷のような家を見て驚くブロックの演技も最高。

しばらく見ればもう結末は推して知るべし。アメリカのロマンチック・コメディなら複雑な筋立てなし、不幸な結末なし、スピーディな演技とファニーな台詞、一人か二人の意地悪な妨害役...と約束通りの展開で、それでもブロックのうまいコメディエンヌぶりがおおいに笑いを誘い、ハンサムな相方、ライアン・レイノルズがちょっとすっとぼけた人のいい役回りで、あれよあれよと言う間に二人は本物の恋に陥る。ところでこのレイノルズ、確かにいわゆるイケメンで日本の女の子好みのように感じられたが、残念、私の好みじゃない。40歳くらいになったらどうかな。

安心して座席に身を預けられる映画の典型だ。問題提起や意識を刺激される事もあまりない。単純に楽しむ映画。この手の映画はアメリカならではだろう。アメリカの観客のためのアメリカ的ロマンスもの。以下に書くフランスの恋愛映画なんてきっとアメリカじゃはやらないだろう。

 

1962年フランス/イタリア合作 Le Repos Du Gerriere 「戦士の休息」。すでに別れてはいたが、妻だったブリジット・バルドーを主演に迎えたロジェ・バディム監督作品。同じ恋に陥っていく男女を描いてもこうも違うのかとあらためてフランス映画の妙を見せつけられた思い。この映画は昔一度劇場で見て、BB(ベベ)のふくれっ面の愛らしさにうっとりし、音楽の美しさに魅了されたのを覚えてて、今回ふと思い出しレンタルしたのだが、当時「戦士の休息」(原題通りの訳)と言うタイトルの意味するところが当時よくわからなかった。

偶然に出会った男に惹かれ一緒に暮らし始めるが、この男が何か病理的な暗さを持ち、不実なのだ。フランス映画、特に恋愛ものはアメリカの言ってみればわかりやすく結末まで読めてしまうようなプロットの作りよりも、なぜだかわざわざこちらをイライラさせるような演出や脚本になってる事が多い。実はそういうところも含めてフランス映画が好きなのだが、アメリカ的ストーリー展開に慣れてしまうと、とても不自然に感じられるかもしれない。

しかし実際の男女の心の機微とは単純なものではないし、はたからみれば不自然な行動や言動がつきものだ。この映画もそういう意味では単純でなく自然でない。つまり二人は知ってか知らずか心理的駆け引きをしてるのだ。駆け引きというより戦い。男が勝ってるように見えてその実、最後に笑うのは女。イタリアの廃墟の中で最後にBBにすがりついて愛を乞う男に対し、長い金髪を風になびかせ泰然と微笑むあのラストシーンがまさに戦い終えた戦士の休息なんだろう。つまり休息であってまだ戦いは続く...と匂わせる。男女の心の機微は尽きない。

2つの全く毛色の違う恋愛映画を見終わって、2つともそれなりに楽しめるが、私にとって心に残り、刺激を受け、女主人公になった妄想を楽しめるのは古くても不自然でも「戦士の休息」のようなフランス映画だなとあらためて認識した次第。

 


 

Last updated 10/23,2015

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