CREDITS
監督・脚本.........イアン・バリー
製作...................デヴィッド・エルフィック
共同製作............ジョージ・ミラー、ロス・マシューズ
撮影...................ラッセル・ボイド
音楽...................アンドルー・トマス・ウィルソン
CAST
Steve Bisley....................ラリー
Hugh Keays-Byrne...........イーグル
Arna-Maria Winchster....カーメル
Ross Thompson.................ハインリッヒ
Ralph Cotterill..................グレイ
Lorna Lesley.....................グロリア
Mel Gibson.......................メカニック(クレジットなし)
MINI STORY
地震のために核廃棄物処理工場のパイプから放射能を帯びた排水がもれた。だが公団は事故をひた隠そうとしたため、ある科学者が自身も放射能を浴びて助からないのにもめげず、世間に知らせようと厳しい公団の監視を逃れ友人に連絡して力つきた。折しも山小屋ヘ来てたレーサーのラリーが彼を見つけ収容して町へ降りたところ、逮捕されてしまう。山小屋へ連行される途中車を奪い科学者をのせ、追手を振り切りながらの決死の山下りが始まった........
NOTES
メルの古くからの仲間スティーヴ・ビズリー主演でMad Maxのミラー監督も製作に参加してるという事でメルが友情出演したらしい。オーストラリアではメルの名は既に先の2本で有名になっていたので宣伝にはこう書かれて売り出された;「あのMad Maxのメル・ギブソンが特別出演!!」
だが映画史家のロブ・エデルマンによると「メルの出演は"特別"というほどの物ではない。車の修理工場のシーンがあって車の下からメカニックが顔を出す。ワンショット分、顔のクローズアップがほんの数秒。それがメルなんだ。彼が出るのはここだけだ」(彼の出てるものならたとえ1秒でも全て見るという完全主義ファンなら、だがこれで十分というわけでずっとビデオを探してるんだが、今だお目にかからない...)
作品はある批評家に言わせるとかの有名なThe China Syndromeのほとんどパクリと言っていいらしいが一般の反響は悪くなく、テクニカルな面が特に評価され、サミー賞の撮影、衣装、編集、美術、助演女優賞にノミネートされた。
NOTES 追記
幸運にもようやくこの映画を見ることができたので、感想を書いておこう。(Special Thanks to you, AYA!)
まずメルの出番。思ったより長く写ってて一言だが台詞もある。全般的にMad
Maxのあの色調、ムードと共通するものがあって、これはオーストラリア映画独特のものだろう。何がこうも違うのか.....風土?言葉?もしオーストラリア映画と知らないで見ても、どこかアメリカ映画とは違うと気づくだろう。私自身はこのちょっと前のイギリス映画にも似たなんとも言えない、あえていえば「ダサさ」とでもいうのか(^^)、感じは凄く気に入ってる。
製作にジョージ・ミラーの名があるのは偶然ではないだろう。「チャイナ・シンドローム」の殆どパクりとあるが、テーマは確かに同じだがカメラやスタイルは全然似てない。むしろマッドマックスの流れを組んでいると強く感じた。主演のビズリーがSummer
Cityの時と同じようなちょっと軽薄なレーシングドライバーに扮してるのがぴったりだ。だからカーチェイスのシーンはかなり迫真だが、一番印象的なのがカメラだ。ラッセル・ボイドの風景の撮り方はさすがと思わせるものがある。
日本で公開されたとあるが残念ながら記憶にない。たぶん見た人も少ないんじゃないかと思う。でもマッドマックスでも描かれた車や機械といったものに取り付かれているオーストラリア人好みの作品らしく、本国ではヒットしたという。アメリカで未公開なのはさもありなんと思う。いかにものんびりしてて地味だからアメリカじゃ当たらないだろう。ラッセル・ボイドの撮影というだけでも持ってる価値はあると私は薦めたい。