Braveheart ブレイブハート(1995)

アメリカ/アメリカ、日本公開1995年/168分

Braveheart(bluray)cover photo

CREDIT
監督....................メル・ギブソン
製作....................ブルース・デイヴィ/メル・ギブソン/アラン・ラッドJr
原作・脚本..........ランドル・ウォレス
撮影....................ジョン・トール A.S.C.
音楽...................ジェイムズ・ホーナー
美術...................トム・サンダース
編集...................スティーブン・ローゼンブラム
衣裳...................チャールズ・ノード
スタント監修......サイモン・クレーン/ミック・ロジャース


CAST
Mel Gibson..........................ウィリアム・ウォレス

James Robinson..................少年時代のウィリアム

Sean Lawlor........................ウィリアムの父マルコム

Sandy Nelson..................... ウィリアムの兄ジョン
Brendan Gleeson................幼なじみの友ハミッシュ     
James Cosmo.....................キャンベル(ハミッシュの父)
Andrew Weir.......................少年時代のハミッシュ

 

Catherine McCormack.......ウィリアムの妻マロン
Sean McGinley..................マッククラノゥ(マロンの父)

Gerda Stevenson...............マロンの母
Mhairi Calvey.....................少女時代のマロン

 

Brian Cox...........................ウィリアムの叔父アーガイル

Angus Macfadyen............スコットランド貴族ロバート・ザ・ブルース
Ian Bannen.......................ロバート・ザ・ブルースの父
John Kavanagh................スコットランド貴族クレイグ
Alun Armstrong............... 同 モーネイ

 

Patrick McGoohan .........イングランド王エドワード1世
Peter Hanly.....................イングランド王子エドワード(イザベルの夫)

Sophie Marceau..............イザベル王女
Stephen Billington...........エドワード王子の側近フィリップ
Jeanne Marine................イザベルの側近ニコレット

 

Tommy Flanagan............ウィリアムの仲間モリソン
Julie Austin......................モリソンの花嫁ヘレン
Rupert Vansittart............花嫁を連れ去る貴族ボトムズ卿
Malcolm Tierney.............マロンを処刑するイングランド行政長官

 

Tam White......................ウィリアムに合流するクランの長マクレガー
Donal Gibson..................ウィリアムの仲間スチュワート
Jimmy Chisholm.............イングランド側のスパイ

David O'Hara...............アイルランド人スティーブン

John Murtagh...............スコットランド貴族ロクラン

David McKay................若いスコットランド兵士

Peter Mullan.................年季のいったスコットランド兵士

Martin Murphy.............イングランド軍司令官タルマッジ卿
Gerard McSorley......... 同 副官チェルサム

Bernard Horsfall..........スコットランド僣王ベイリオール
David Gant..................イングランド貴族裁判官

 

 

Mel Gibson as William Wallace

MINI STORY

 

時は13世紀終わり。長脛王の異名をとるエドワード1世治下のイングランドに征服されているスコットランド南部の小さな村。一組の結婚を祝う宴の最中、成長したウィリアムが帰還する。 幼なじみの友や愛するマロンとの再会を喜ぶも、花嫁はイングランドの横暴な貴族に連れ去られる。ウィリアムはマロンと極秘の結婚をするが、イングランド兵の怒りを買い、マロンは捕まり処刑されてしまう。憤怒を秘めてイングランド軍の砦を襲い、復讐を果たしたウィリアムのもとに、大勢の有志が集まり自由を求めての戦いの気運が高まった。

圧倒的な数の敵軍をスターリングで破ったウィリアムは、貴族から信頼を得てナイトに叙されるが、私利にまみれた貴族たちは立ち上がろうとしない。そんな中ひとり若いロバート・ザ・ブルースだけがウィリアムに同調する。次のフォルカークの戦いで裏切りに遭い敗走したウィリアムはゲリラ戦に打って出てチャンスを探るが、貴族たちとの会合に一人おもむいた先で、またもや奸計によって捕まり、ロンドンに送られる。いっさい慈悲や助命を乞わず、最後まで祖国の自由を貫き通した。

スターリングブリッジの戦いでの馬上のウォレス

 

BACKGROUND  サー・ウィリアム・ウォレスとその時代

 

ウォレスの伝えられる生年はまちまちだが(だいたい1270年から1275年の間)彼が20代後半の若さで兵を挙げた頃のスコットランドは、イングランド王エドワード1世によるかつてないほどに屈辱的な弾圧下にあった。それまでは無秩序な王位纂奪にあけくれ、他国に脅威をおよぼす程の力はなくとも839年のケニス1世から連なる400年の歴史を持っていたれっきとした王国だった。
1296年一つの王国としてのスコットランドは消滅。貴族たちはほぼ完全にエドワード王の意のままに表向きは一見平穏のうちにあったが、平民たちの間ではそれまでに育んだ愛国心をはるかに凌ぐ国民としての自覚が芽生えていたのである。


ウォレスはグラスゴーに近いレンフルーシャーの小さな村エルダースリーで生まれた。その前半生の詳しいことはよくわかっていない。言い伝え(たとえばBlind Harry's "Wallace"など)では平民ではあるが父に倣い騎士としての道を歩むべく、幼少の頃から近くのペイズリー修道院で勉学に励む。彼が貴族でもないのに母国語の他に英、仏、ラテン語などを話し視野の広い眼を持っていた事はそれだけでも民衆を引き付ける要素だったはずだ。

それに加え早くから駐留イングランド軍に対し憎悪に近い反抗心を発揮して、北部を中心にはじめは小さな反抗の炎を挙げた時、それに同調した民衆たちが彼を英雄として祭り上げていったのはごく自然な動きだった。伝承によると、戦士としては戦略にすぐれ勇猛で残酷な面もあったが、リーダーシップにたけ、その教養を生かし祖国振興のため大陸との交流や貿易も見据えた地方行政官としても辣腕を振るった。

 

それでも彼に従ったのは、せいぜいが農具や短剣、小さな盾に貧弱な鎧といった装備の平民が主で、ほとんどが封建社会の外側にいた人々であり、かつてブリトン人、ピクト人、ゲール人が定住した反抗的な気風が強い地域の出身者で占められていた。ウォレスが初めに頼みとした大貴族たちは失うものが多かったため、眠れる獅子を起こされては困るとばかり息を潜めむしろウォレスの活動を迷惑がっていた。

この意味でウォレスは偉大な愛国者であると共に「変わり者」でもある。最終的にこれら貴族たちの裏切りにあってウォレスは1305年に30代の若さで処刑されるが、彼がその短い生涯で成した事はまさに"Everyman dies, not everyman really lives"という台詞にふさわしい。1297年のスターリングの勝利がもたらした意義は「栄光や富や名誉のためでなくただ自由のために」戦う事の価値を人々に植え付けた意味で大変大きい。

 

彼とともにスコットランドの英雄として並び称されるロバート・ブルースは映画でも描かれたように王位継承者の家柄のためその初期の行動には打算的なところがあったが、ウォレス亡き後はイングランドに抵抗して相当な苦労の末、1314年のバノックバーンの戦いで大勝して王位につき、1707年に再びイングランドに統合されるまでの独立王国の礎を築いた。

関連ページ :William Walace ウィキペディア 

 

詳しく知りたい方、興味のある方はぜひ本も読んでみる事を薦めます。

 

参考図書:
「スコットランド王国史話」森 護/大修館書店
「とびきり哀しいスコットランド史」フランク・レンウィック/小林章夫 訳/筑摩書房
「スコットランド物語」ナイジェル・トランター/杉本 優 訳/大修館書店

Mel on the COVER

BRAVEHEART

Happy 15th Anniversary

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Variety, USA 1995
Variety, USA 1995

新しい年を迎えた。2010年。皆様におかれてもさらに良き年になりますよう。

日付けは1月2日になってるが、もう3日。1月3日と言えばメル・ギブソンの誕生日。「おめでとう、メル!」のついでに毎年この日に新年のご挨拶をしてる(^^)。

 

メル・ギブソンのファンサイトを運営する私にとっては、今年は楽しみが多い。公開を控えた2本の主演映画、監督するのが決まってるもの1本、春頃開始の主演作1本と久方ぶりに映画人メルがおおいに動く。できるだけ追っていきたいと思うが、また今年はたった4ページから初めた本サイトの10周年、さらにWhat Women Want 「ハート・オブ・ウーマン」のロスアンジェルスプレミアに幸運にも参加でき、幸運にも生身のメルギブソンに会えた記念すべき出来事の10周年も迎える。

10周年?! なんてこと、紀行文はそのうち書きます...などと言いつつ忙しさにかまけ、さぼってたら10年! 最近ひとしお思う。地球の自転が実は密かに速くなってるんじゃないかと....大昔古代マヤ人が予言してたのはこの事じゃないかと。しかし嘆いても仕方ない。自転は停まってくれないだろうし、やることはいっぱい。せめて10周年記念として上記プレミア紀行文でもアップしよう。

 

さて去年の暮れ続けてジャンルは同じ恋愛ドラマになるだろうが、全く毛色の違う2本を観た。ひとつは鑑賞券を得て久しぶりの劇場でロードショウとして、サンドラ・ブロック主演The Proposal「あなたは私の婿になる」を楽しんだ。

S・ブロックは好きな女優の一人だ。いったい美人なのかセクシーなのかよくわからない雰囲気が気に入ってる。コメディでは笑わせてくれるし、筋肉質に近い体つきに見えるがグラマラスなのもいい。

やり手のカナダ人キャリアウーマンがヴィザの更新ができないため、とっさに部下の若い男との偽装結婚を思いつき、彼の実家に行くはめになりドタバタが始まる。大都会シカゴからおおらかなアラスカに行くくだりは傑作。そこに行って部下の実家が土地の素封家でお屋敷のような家を見て驚くブロックの演技も最高。

しばらく見ればもう結末は推して知るべし。アメリカのロマンチック・コメディなら複雑な筋立てなし、不幸な結末なし、スピーディな演技とファニーな台詞、一人か二人の意地悪な妨害役...と約束通りの展開で、それでもブロックのうまいコメディエンヌぶりがおおいに笑いを誘い、ハンサムな相方、ライアン・レイノルズがちょっとすっとぼけた人のいい役回りで、あれよあれよと言う間に二人は本物の恋に陥る。ところでこのレイノルズ、確かにいわゆるイケメンで日本の女の子好みのように感じられたが、残念、私の好みじゃない。40歳くらいになったらどうかな。

安心して座席に身を預けられる映画の典型だ。問題提起や意識を刺激される事もあまりない。単純に楽しむ映画。この手の映画はアメリカならではだろう。アメリカの観客のためのアメリカ的ロマンスもの。以下に書くフランスの恋愛映画なんてきっとアメリカじゃはやらないだろう。

 

1962年フランス/イタリア合作 Le Repos Du Gerriere 「戦士の休息」。すでに別れてはいたが、妻だったブリジット・バルドーを主演に迎えたロジェ・バディム監督作品。同じ恋に陥っていく男女を描いてもこうも違うのかとあらためてフランス映画の妙を見せつけられた思い。この映画は昔一度劇場で見て、BB(ベベ)のふくれっ面の愛らしさにうっとりし、音楽の美しさに魅了されたのを覚えてて、今回ふと思い出しレンタルしたのだが、当時「戦士の休息」(原題通りの訳)と言うタイトルの意味するところが当時よくわからなかった。

偶然に出会った男に惹かれ一緒に暮らし始めるが、この男が何か病理的な暗さを持ち、不実なのだ。フランス映画、特に恋愛ものはアメリカの言ってみればわかりやすく結末まで読めてしまうようなプロットの作りよりも、なぜだかわざわざこちらをイライラさせるような演出や脚本になってる事が多い。実はそういうところも含めてフランス映画が好きなのだが、アメリカ的ストーリー展開に慣れてしまうと、とても不自然に感じられるかもしれない。

しかし実際の男女の心の機微とは単純なものではないし、はたからみれば不自然な行動や言動がつきものだ。この映画もそういう意味では単純でなく自然でない。つまり二人は知ってか知らずか心理的駆け引きをしてるのだ。駆け引きというより戦い。男が勝ってるように見えてその実、最後に笑うのは女。イタリアの廃墟の中で最後にBBにすがりついて愛を乞う男に対し、長い金髪を風になびかせ泰然と微笑むあのラストシーンがまさに戦い終えた戦士の休息なんだろう。つまり休息であってまだ戦いは続く...と匂わせる。男女の心の機微は尽きない。

2つの全く毛色の違う恋愛映画を見終わって、2つともそれなりに楽しめるが、私にとって心に残り、刺激を受け、女主人公になった妄想を楽しめるのは古くても不自然でも「戦士の休息」のようなフランス映画だなとあらためて認識した次第。

 


 

Last updated 10/23,2015

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