(別名:"The Z Men")
CREDITS
監督........ティム・バーストール
製作........リー・ロビンソン
脚本........ロジャー・マーシャル
撮影........リン・ハン=チャン
編集........デヴィッド・スティーヴン
音楽........エリック・ジュップ
美術........バーナード・ハイズ
CAST
John Phillip Law.......ヤン・ヴェイチ中尉
Mel Gibson...............ポール・G・ケリー大尉
Sam Neill.................ダニー・コステロ軍曹
Chris Haywood.........バード上級水兵
John Waters............キング少尉
Coo Chuan-Hsiung.....リン・チャン=ラン
Sylvia Chang.............チェン・ホア
O Ti.........................ショウ・フー
Yi Yuan....................今中大尉
Lung Shuan...............渡辺少佐
MINI STORY
第2次大戦末期、日本軍占領下の台湾の沖合いにひっそりと潜水艦が浮上した。闇に乗じて上陸したのはケリー大尉をリーダーとする連合軍からの混成特殊部隊Zメンの5人。彼等の任務はここに墜落した飛行機から戦略上重要なある日本人生存者を連れ出す事だった。途中一人を失いながらも、レジスタンスのリンとその娘チェンホアの協力を得て生存者を収容するが、村は日本軍との熾烈な戦闘に巻き込まれてしまう。リンや仲間は撃たれてしまうがケリーは、何とか生存者をボートに乗せ脱出に成功。だがもう少しで潜水艦というところで気がつくと、命をかけて救い出した生存者も息絶えていた........
NOTES
この映画は難産だったようだ。当初決まっていた監督はオーストラリア出身、1978年に国際的評価を得た"Newsfront"や、後にアメリカへ渡り「パトリオットゲーム」等で有名なフィリップ・ノイスだったが、お決まりのスクリプト上の解釈をめぐって制作側とそりがあわず身を引いた。この事が俳優たち、特にメルに不満と動揺を与えた。彼はノイスを高く評価しており、すっかり意気投合していたからだ。
案の定台湾での撮影が始まると後任のバーストールとオーストラリア側の俳優達とがうまく噛み合わず、おまけに言葉の問題があった。台湾側の俳優やスタッフと滑らかなコミュニケーションが取りにくく、その分時間と経費が嵩んでいったという。おかげでたったの6週間で撮影をすまさなくてはならなくなった。
「気狂い沙汰だよ。カオスだ....」当時の監督のぼやきである。さらにある伝記作者の取材によると、アメリカ俳優のジョン・フィリップ・ローがサラリーや待遇の点ではるかに優遇された事について、メルをはじめとするオーストラリア人達が納得のいかないままだったという。だが明らかにあの当時は「バーバレラ」等のヒットにより、このハンサムな俳優の方が顔を知られていた事は確かなのだ。
それでもなんとか撮り終える事ができたのはメル曰く;「週末になると(台湾人主役の)クーが彼のレストランで信じられないほどおいしい台湾料理をふるまってくれたから」だそうだ。ま、これはジョークだろうが。
こういうインサイドストーリーはまったく知らないで私はこれをビデオで見たが、★★というところだ。日本軍が出てくるのはいいんだが、台湾人が演じているせいか日本語が不自然なのが気になる。あとメル指数という観点から見ると、美味しい部分はほとんどローがさらってしまってるのが大いに不満。台湾娘とのロマンスも日本軍との戦いでかっこよく雄々しく死ぬのもメルじゃない! ただしリーダーという役柄を沈着冷静な押さえぎみの演技で通したのには好感が持てた。だがどうも納得いかないのはメル達だけじゃない。私も見ていてなぜメルが主演じゃいけなかったのだろうと首をひねった。オーストラリアの監督でオーストラリア映画なのに....。我々の知らない事情があるんだろう。
QUOTES
「演技とは直接関係ないゾッとしない話し合いやら面倒ごとをたくさんこなす羽目になったよ。そうまでしてもあの時はこいつをどうにかして作り上げる事が最優先だった。結果的にははっきり言って失敗作だ。
楽しい思い出もある。台湾の人たちと交流できた事。なんとか会話をしたいからあの時に僕はとても優秀なパントマイマーになったんだ」___メル・ギブソン
「いろいろあったがメルとの関係は友好的なものだったよ。彼には並みでないカリスマ性があって、私はこう予言した。今後12ヵ月以内に彼がハリウッドにいないならそっちの方が驚きだね」___ティム・バーストール