ここのところ何やかんやと時間が作れなくてブログもご無沙汰だった。何やかんやの中には、5月から通いだしたスポーツクラブも含まれていて、この年でまた運動始めたことによるちょっとした興奮と事後疲労のため、タイプするのが遠ざかっていたわけだ。
いろんなレッスンプログラムがあって、興味あるものを試してみたが2ヶ月やってみて現在は軽い水泳を含む水中運動系と太極拳に絞られた。この2つに共通してるのは改めて実際にやってみてこんなにも気持ちのよいものだったのかということを再認識したこと。それと年齢に関係なく、いやむしろ体力の衰えてきた私のような中高年や腰を痛めたり速い動きが出来ないといった人にたいへん向いている健康法だということだ。水泳や水中運動はプールがないと実行できないし専用のウエアが必要なため元手がややかかるが、太極拳はちょっとしたスペースがあればひとりでおさらいできるという利点があるし、ゆったりしてれば特別にウェアなどいらない。戸外でやった方が気持ちいいので8式でもいいからとりあえず基礎を覚えれば早起きして庭や近くの公園などでできる。一石二鳥。つまりもとではゼロに近い。
もう10年以上前になるが、香港とマカオに小旅行した際、早朝に限らずいろんなところで人々が集って太極拳をやっている風景にでくわした。その時はタクシーを1台雇って回ってもらってたんだが、そのゆったりした動きに魅了され、車を止めてもらい、運転手共々ちょっとおじゃまして見よう見まねで参加した(運転手さんは当然もうマスターしてた)。突然の新参者にも嫌な顔一つせず笑顔で手取り足取り教えてくれた。この心が太極拳の持つ思想的な側面のよいところなんだろう。つまり「和」をなす。「和」なる気を通い合わす。競い合わない。穏やかでまろやかな動きはそのままその心となす。短い時間だたったがとても充実した時間が持てたことを覚えてる。
そのまま即教室にでも通えばよかったがあいにく当時は近場になく、頭の隅に留まったまま今に至ってしまったわけだが、いつ始めても遅くはないところが太極拳の良い点。また今はインターネットのおかげで教則になりそうな動画も豊富だし、テキストだけでも読んでその心を知ることができる。DVDや本も豊富だ。もちろん基礎が大切なので初めのうちだけでもマスターした人からレッスンを受けた方がよいとは思う。
私はまだ入門レッスンでいわゆる8式と16式を学んでる最中。やっと見よう見まねの段階から独り立ちしつつあるところ。ゆえに一番普及してる24式を覚えるのはまだまだ。体もすっかり固くなって錆び付いて、動きも優美からはほど遠く、着てるものもちゃんとした太極拳用のものでなく、ユニクロのそれもセールで買ったドライストレッチのトレパンのでかいのを自分で裾にゴムを通しそれらしくしたものと、家にあったでかTシャツ、シューズも無印良品のこれまた値引きで求めた布製のバレエシューズみたいなのですましてる。何とも安上がり。知る人が見たら「あ、この人は太極拳らしきものをやってるようだ」と言われそう(笑)。それでもいい。なんといってもやってる本人は最高に気持ちいいと思ってる。「気」を私なりに感じてる。1時間のレッスンがあっという間でもっともっとやっていたいと思う。
心なしかふだんでも仕事中でもつい無意識に太極拳的動きをしてることに最近気づいた。重心移動や体の向きを変えたりする際にやってるようだ。あと何かでイライラした時に意識してゆったりとした呼吸を伴って太極拳の動きをちょっとだけでもすると落ち着くことも発見! これはいい。
西洋人やイスラムの人々の間でも太極拳のよさが普及して盛んだが、我々東洋人は、中国で遠い昔生まれた太極拳の原理である深遠なる哲学や太極思想を本来十分理解できる民族だと信じてる。殺伐とし、世知辛く、礼節や節度といったよきものが忘れられつつある今の世、皆が太極拳をやればいいのにとさえ思っているが。
わたしがやってるのはどのようなものか、下に入門者用の一番簡単な8式太極拳の動画をリンクしておいた。Youtubeにはこの他にも数多く投稿されてるがこの動画のいいところは画質が比較的きれいなのと、後半に後ろ向きで演舞してるのも見られることだ。これは初心者には大変参考になる。またバッックグラウンド音楽もいい。見よう見まねでいいからあなたもこれを見て今日から太極拳世界の住人になってみるのはいかがだろう。
ところでうちの猫、生まれながらにして太極拳をしてる。悔しいが彼女の方がずっと優美でなめらかで柔らかい(笑)。
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